Keep on ××

昔偉い人が言った言葉の中に、こんなのがあるんだそうだ。
純潔を貫こうとするなら、その純潔を蝕もうとする邪悪よりも邪悪さを持っていなければならない。


僕の好きな言葉の一つ。
こないだ、この言葉のように純潔を保っている人を見つけた。
正確には、僕にはその人が、そんな風に生きているように見えた。
きっとその人はこの言葉なんて知らないし、もちろん自覚なんてしてないだろう。当然だ。
ただ、その人の姿が僕には痛いくらいに眩しかった。
自分に対してすごく誠実に生きているんだと思った。
思わず見とれた。憧れた。
ほんとにびっくりした出来事だったんだ。
信じることと、疑うことが見事にその人の中で同居しているように感じた。
無条件で信じることは、誠実でもなんでもなく、愚かなことだと最近思う。
どんなに大切なものに対しても、むしろ大切なものにこそ、疑いの視線は必要なんだと思う。
信じながら疑い、疑いながら信じる。その繰り返しの果てに、きっとこたえみたいな何かが転がっているはず。風に吹かれながら。